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2026/04/05 00:56 |
d01---王宮不伝説物語
「一大事だ!」

そう叫ぶ、重臣の声が響いた。
今の状況といえば、重臣の会議というものなのだが、その議題はあまりにも深刻な問題であり、国の問題でもあった。
議題の中心は、この国の王について。
否、王の身辺についてもその論内である。

この国の王は、我が儘で気ままな暴君である。
政をすることも他所に、日々、後宮の女を抱いて回るという身勝手ぶり。
後宮の女を抱くにしても、誰か一人を見初め、正室に召し上げるわけでもなく、ただ単に、日替わりに抱くというもの。
同じ女を抱くことは滅多にない。
そのためか、後宮は女が溢れている。
次から次へと女を抱いて、その女たちが同時に懐妊するとなると、それはまた世継ぎ問題や派閥争いなどに繋がる。
それでも、ただ女を抱くだけならば、重臣たちも目を瞑った。
だが、町にまで御忍びで下りたときは、流石に胆を冷やした。
後宮の女たちならば、身元がしっかりとしており、更に加えるならば貴族の娘達である。
懐妊すれば、そのまま正室に召し上げて、王妃にとなるだろう。
御子が無事誕生すれば、その後も国は安泰と言える。
だが、そういったことはなく、また、王の戯れも度を越えてきていた。

そんなとき、王が町に下ったときに出逢ったという男の話を思い出したのだ。
同じような年頃の男で、とても気が合ったのか、王は王宮に戻ってからもその男に逢いたいと言い出した。
だが、重臣たちにとっては、好都合な話であった。
今まで同じ年頃の者と触れ合う機会がなかったからか、王は話し相手を求めた。
ただ、それだけのこと。
重臣たちは直ぐ様その男を王宮へと招き入れた。
王の話し相手としてだ。
だが、それが最大の過ちで、今現在の重臣たちの悩みの種でもあった。

王は、後宮へは行かなくなった。
それと同時に寝所から出てこなくなったのだ。
寝所には、王とその男の二人だけ。
ことあるごとに、王とその男は親密になり、関係性は話し相手から友人へ、友人から更に変化していった。
極め付けに、王はもう女を抱かないとまで言い出した。
それは重臣たちが一番恐れていたことだった。

王は、その男にのめり込み、その男を抱き、その男以外を抱かなくなった。
また、正室を迎える気もない。
生涯をその男と過ごし、世継ぎを作る気も、王を続ける気もないとまで言ってきたのだ。

実際問題、王が行わない政は王の弟である第二皇子が行っている。
王を「王」と言っているのは、最早表面のみであることも確かな事実である。
また、このような状況から、一部関係者の中で王を失脚させる方向へと進んでいることも然りである。

「王様にこの件を進言しなければ。」

そう意気込み、重臣たちは王の寝所へと向かう。
寝所の前まで来ると、中から甲高い声が聞こえる。
それは喘ぎ声であり、男の声でもある。
中でどのようなことが行われているか、ということは、周知も承知の事実であることに何ら変わりはない。

「…んっ、あ、…ふ…ひゃ…!」
「…かづるっ…!」
「…あっ、も、もうむり…やぁ…!」

聞こえてくる声に、重臣たちの気は狂いそうになる。
だが、意を決して、扉に声を掛けた。

「王様、お取り込み中、失礼致します。」
「なんだよ。邪魔すんな。」

重臣の声に王は反応したが、その声は低く、怒りを含んでいた。
今の甘い時間を邪魔されたことに対する不満であることは充分理解できる。
だが、中からは止むことがなく甘い声が零れ続けている。
行動を止めることなく外と会話をしていることが分かる。

「お話がありまして、」

そう切り出すと、次の瞬間、扉の向こうからは思いもよらぬ返事が返ってきた。

「俺、王辞めるから。」

辞めてほしいだろ?
なんて、付け足した。
そして、王は更に言葉を繋げた。

「王なんて辞めて、こいつとずっと一緒にいる。」

いつかは、と重臣たちも覚悟はしていた。
だが、認めたくなかったのだ。
王が、あれほどの女を抱いていたあの王が、たった一人の、男に心を奪われるなんて。

男は、王の御子を身篭ることなど出来ない。
正室を迎えないというのならば、それでも構わない。
本来ならば構わないことなどないが、どうしてもということならばその件としてはどうとでもなる。
王がもう女を抱かないと言うのならば、このままではどの道、世継ぎを期待することは出来ない。
早かれ遅かれという言葉は正しく、このために存在しているのだろう。

そんな重臣たちの考えや心配事を他所に、洩れる声はとても淫猥で、卑猥で、官能的で、男とは思えない声でもある。
その男自体の風貌も、男勝りな方ではなく、どちらかというと、女性的な雰囲気を持っている。
王が心奪われるのも、分からないわけではない。
こうなってしまえば、もう王は止められない。

長い指が、白い肌を這う。
肌への触れ方が、なんとも厭らしい。
触れる度に白い肌は反応し、小刻みに揺れる。
その指を、ゆっくりと動かし、近くに存在した性器をゆっくりと掴んだ。

「………ん、…じんや………。」
「かづる、かわいい。愛してる。」
「お、れも…、愛してる。」

そう会話をすると、その次の瞬間から、また高い喘ぎ声が木霊する。
掴まれた性器をゆっくりと上下させ、徐々に速度を上げてゆく。

「じ、…!も、でちゃっ!あ、ん、っ!」
「いっぱい出してよ、全部出して。」

毎日、毎日、何日でも、同じことを繰り返す。
扱いて、突き上げて、摘んで、銜えて、舐めて、出して、触れて、何度でも同じことを繰り返す。
気が済むことなんてない。
一回で済むわけがない。
三回で済むわけがない。
五回で済むわけがない。
十回で済むわけがない。
一日の間に何度同じことを繰り返すのか。
一週間の間に何度同じことを繰り返すのか。
終わりは見えない。
二人は今日も、また同じことを繰り返す。


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2017/06/11 20:29 | 創作BL / 秋吉と金橋

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